クロコダイルポロサス/ブラックでビジネス鞄のオーダーメイド
クロコダイルの王様ポロサスクロコダイル(スモールクロコダイル)を使ったビジネス鞄をオーダーメイド、と言うよりオートクチュールと言ったほうが正しいですね。艶やかなポロサスクロコダイルを使用するけれどカジュアルにも使えるようなポロサスクロコダイルを使ったビジネス鞄をオーダーメイドで仕立てて欲しい。ん~クロコダイルの迫力をカジュアルにする、そしてビジネス用。。なかなか難しいクロコダイル鞄の課題でしたが半年をかけて出来上がりました。素晴らしい出来上がりです、クロコダイルポロサス(スモールクロコダイル)ビジネス鞄のオーダーメイド。
「J.Kurasawa モデル」
ここからは今までの作成の状況です
鞄の仕様
今回のオーナー様はどこをさがしても自分の思うショルダーバックがないとの事でショルダーバックのオーダーのはずが。。先日出来上がったボディーバッグを見て頂いたらとても気に入って頂き、クロコダイルポロサスでビジネス鞄をオーダーメイドさせて頂く事になりました。デザイン画はオーナー自ら書いて頂いたもの、設計もされるオーナーなのでこういう絵は遊びのようにかけるのだとか。。イメージがしやすいのでとても助かります。
クロコダイル革を探し
オーダーの度にオーナー様のご希望の革を毎回探し提案しています。
今回は、まずは大きなサイズのクロコダイルが見つからないと作成できないので、まずはクロコダイル探しから。。ビジネス鞄となるとサイズの大きなクロコダイルが必要です、なかなかサイズの大きなクロコダイルが無くて、この日はタンナーさんの所までクロコダイルを探しに行ってきました。ちょっと生々しいですが工場の中を見学させて頂いた時の一部の写真です。
凄い迫力。。
革屋さん巡り
タンナーさんから革屋さんを何件も回ってクロコダイル探しです。
選んできたシャムワニとポロサスクロコダイル
色物はなかなかなかったのですが、クロコダイルポロサスの黒がとても状態の良いものがありました。
茶色やネイビーなども少しあったので、これらも見て頂きます。
これらは組み合わせで提案させて頂くサイズの小さなクロコダイルです。
カッコいい墨染クロコ
こんなカッコいい墨染クロコダイルに出会いました。組み合わせてもオシャレかなと思いセレクトしてきました。
配色の提案、二度目の打ち合わせ
こんな配色も良いかな。。黒のクロコに墨黒染のクロコダイル、そしてグレー仕上げのワイン色のクロコダイルポロサス。さて、オーナーはどの組み合わせを選ぶだろうか。。二度目の打ち合わせです。
奥様もご一緒に来て頂き度のクロコにするか決めました奥様には墨染のクロコダイルを気に入って頂きオーナーにはワイン色のクレイ仕上げのポロサスも気に入って頂きましたが、ポロサスの黒二枚を使って作る事になりました。
仕立て上げる職人
選んだポロサスクロコダイルとオーナーの書いてくれたデザイン画を持って職人の工房へ、今回のご要望は形の崩れないカチッとした鞄だけどカチッとしすぎないカジュアル感が欲しいとのリクエスト。選んだポロサスクロコダイルは上品な高級感があります、このポロサスを外縫いのカチッとした仕立てにしてしまうとかなり昭和チックなおっさん臭いクロコの鞄になってしまう、そこをどうカジュアル感を出すか。。ジャックの提案や指摘はいつも鋭くて、そこまで考えているのか、って毎回考えさせられる。そして毎回言うのはオリジナルで作るのだからみんなが納得して、どこにもない喜んで頂ける一点を作らなければいけない。職人の頭の中はすでにフル稼働。。暫くセッションした結果、サンプルから先に作りサンプルで出来上がりを想像してもらいクロコの配置などを決めていくことになりました。イヤ~、緊張。。
職人と二回目の打ち合わせ段々困難な道へ迷い込む。。。
サンプルトワルはまずオーナーのデザインを形にしてみましたが、なんかしっくりいかない。クロコが主張しすぎる、でも一度はご希望の形を作り確認する事も必要です。このころから形をどういう風にするか、クロコを前面に使うかどう組み合わせたらカジュアルさが出るか。。。この形を全面クロコダイルにただ作ってしまうと昭和なクロコダイルの鞄になってしまいます。どうカジュアル感を出していくか
この辺りからちょっと迷路に入った感じです。。。
クロコダイルのフルオーダーはなぜ困難なのか?
オーダーは一度の作製で完成させなければいけません、そしてクロコダイルは個体によって表情が様々なので、同じ革がないのです。
そして高価なクロコダイル。。。なので失敗が許されないのです。オーナー様とは勿論何度も何度も打ち合わせをします、職人とも出来る事出来ない事、オーナー様の拘りとご要望を伝えどこまで理想に近づけるか、理想通りに出来るのか、その作業を一度の作製で表現します。毎回毎回フルオーダーは、鞄でも財布でもジャケットでも、細かく細かくヒアリング、把握、確認、提案、把握、確認、世界観の共有、確認。この作業を繰り返します。勿論最初の直感で納得のいく良いものが提案できそうにない場合はお断りする場合もあります。どんなに金額を積まれても私の感覚でそれはできないなっと思う時はお断りしてきました。だから出来る、作る、となったら私達は本当に真剣勝負です。だから難しい、でもやりがいもあるオーダーメイドです、いや、今井にしか出来ないオートクチュールです。
サンプルも少し変更して、オーナー様に確認してもらったり提案したり、何度も何度も職人と打ち合わせ。時々もしかして出来ないかもしれない。。。って不安がよぎる事もありました。。。私がこうって言っても仕立てる職人が納得しなければ良い物にはなりません。そして私も納得いかなければオーナーの世界観に達しません、ここからはかなり長く迷路に入った感じです。。
クロコダイルより牛革を目立たせる??
クロコダイルをどうカジュアルにするか、考えた一つは思い切って牛革、それもオーナーの好きな赤色系の牛革を思い切ってコンビで使う提案です。ジャックと二人でビビットきたので、オーナーにもこうさせて下さい。と言って見て頂きましたが愛あるオーナー様、私達の提案にはいつも「任せますよ。」っとおっしゃって下さいました。。思い切ってこの革を配色に使います。
3カ月ほど掛かってやっと形の決定
上記のサンプルは最終的に職人が作り出した形。私はなるほどこう来たかっという感じでした。これで上手くいく。って言って持ってきたのでかなりほっとしました。やっと答えが見えたようです、職人が上手くいく、っていう時は、完成が見えた時、これをいつも私は待っています。オーナーにも見て頂き一通り説明して納得頂きました。やっとこれから作成に入ります。
時間が掛かりましたが、試行錯誤、練りに練ってサンプルも作り直しやっと本制作に入りました。後は祈るだけ。。。
っと思ってましたが、やっぱりまだ難しい。。この後も何度も何度も試行錯誤。。。途中途中で、何度も確認。
フルオーダーメイド
スモールクロコダイルのビジネスバッグ完成
「J.Kurasawa モデル」
オーナー様に感謝
「J.Kurasawa モデル」
いつもの様にお引き渡しの時はドキドキですが、良かったです、ほっとしましたオーナー様には喜んで頂きました。「素晴らしい作品を創ろうという思いが、作り手の職人さんの魂に宿り、ひとつひとつきめ細やかな仕上げになったのだと思います。」とおっしゃって頂き職人へのねぎらいのメッセージも頂きました。随分とお待たせしましたのにずーっと私達を信用して下さり任せて頂き、納期も随分と掛かりましたがその都度、いいよ、いいよ。と温かくおっしゃって頂き私達もゆっくりと満足いく作品を作る事が出来ました。そして人として経営者として愛情を深く感じられるオーナー様、こんな素敵な方に作らせて頂き私達もとても光栄でした。本当に感謝しています。そんな気持ちも込めてこの鞄には「J.Kurasawa モデル」と付けさせて頂きました。オーナー様との出会いに本当に感謝しています、これからもどうぞ宜しくお願いします。
フルオーダー
フルオーダーは一度の作製でお客様のご要望を完成をさせなければいけない難しい作業になります。頭の中で描いた空想の世界を形にしていく、オーナー様と私達のイメージのすり合わせをしながら機能面、デザインと全てを一度の仕立てで完結させます。この難しい作業を抜群の仕立て力と、自身が納得いくまで一切手を抜かない、そして技術を追求する職人魂を持った絶対の信頼を置ける職人です。フルオーダーの仕立ては年間数個の限定です。私達の仕立てにご納得頂く方のみお受けしています。
営業時間
火曜日~土曜日 11時~19時
日曜日、祝日 11時~18時
定休日:毎週月曜+月の最終日曜日から翌々日の火曜日まで。(年末年始お盆休み変動あり)
オンラインショップ
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